◆運命の出会い

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獣医さんに送ってもらって家に着いた俺は、自分の部屋のベッドに犬をそっと寝かせた。 病院から、家につくまでの間、犬はピクリとも動く気配はない。 僅かに動く胸だけが、犬がまだ生きている証拠だった 死んだようにぐったりとした犬の前足にそっと、手を重ね、祈った。 頑張れ! 目を開けろ! 死ぬな! 俺の願いが届いたのか、 一瞬、犬が目を開けた。 その目は俺を確認し、直ぐに閉じてしまったが 俺にはわかった。 こいつはまだ、生きるのを諦めていない! 神様、どうかこいつを助けて下さい。 俺は必死に祈り続けた。
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