◆運命の出会い

13/22
前へ
/134ページ
次へ
俺は、結局道場には行かず、ずっと犬に付いていた。 俺が居てもなんの役にも立たないのは分かっているがなぜか、犬の側を離れる事が出来なかったのだ。 あの日から、一週間が過ぎた。犬はまだ眠ったままだった。でも、俺の目には少しずつだが、回復してるように見える。 昼間はどうしても、学校に行かなくてはならないが、夜になると俺はずっと犬の側にいた。犬は一日に何回か目を開けるが、俺を認めるとすぐに目を閉じる。 まるで、俺が側に居るのを確認するかのように。 「そろそろ、お前の名前、決めなきゃな。」 俺は、犬の頭を優しく撫でながら言うと、 そっと犬の横に入り眠りについた。
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7260人が本棚に入れています
本棚に追加