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俺は、結局道場には行かず、ずっと犬に付いていた。
俺が居てもなんの役にも立たないのは分かっているがなぜか、犬の側を離れる事が出来なかったのだ。
あの日から、一週間が過ぎた。犬はまだ眠ったままだった。でも、俺の目には少しずつだが、回復してるように見える。
昼間はどうしても、学校に行かなくてはならないが、夜になると俺はずっと犬の側にいた。犬は一日に何回か目を開けるが、俺を認めるとすぐに目を閉じる。
まるで、俺が側に居るのを確認するかのように。
「そろそろ、お前の名前、決めなきゃな。」
俺は、犬の頭を優しく撫でながら言うと、
そっと犬の横に入り眠りについた。
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