◆運命の出会い

4/22
前へ
/134ページ
次へ
俺が通っている道場は、家から自転車で10分ぐらいの所にある。 先生もとても良い人で、11年通っているせいか、 もう家族のような存在だ。 時間は12時半。 一度、家に帰って昼ご飯を食べてから道場に行こうと通い慣れた道を家に向かって帰っていると、 ふと、目の端に掠めたものがあった。 何時もなら気にもしない薄暗い路地裏に足を向けたのは、何かに呼ばれたような気がしたからだ。 かなり汚い異様な臭いを放つ薄暗い路地裏に、死んだように体を丸めて倒れていたのは……… 犬? 近くに行って確かめようとしたら、 気配を感じたのか、 ピクッと体が動いて、頭を上げた。
/134ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7260人が本棚に入れています
本棚に追加