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「えーっ勿体無い!じゃあ俺に紹介してよ!」
「えー、めんどくさいー」
「このやろうめ!」
タックルー!と叫びながら陽平はそのちっさい身体を颯太に突っ込んだ。
あ、と思ったのもつかの間、コロンと転がるその大きい図体の、なんたるひ弱なこと。
「馬鹿じゃねえのお前等…」
俺がそういうのも仕様のないこと、だろう。
苦笑気味にそう云えば、ぶつかる颯太からの目線に首をかしげる。
「やっぱり俺はさあ、」
「うん?」
「ましろとか、ようへといるときのほうが、たのしいんだよねえ」
にへらと笑って。
あいててて、とつぶやきながらそのでかい図体をおこして呑気な笑顔で顔を覗き込んでくる。
「…恥ずかしい奴め」
「……全くだよ、さすがそうちゃん」
だから、お前は憎めないんだよ。
ばーか。
すいませんね、全国のお嬢様方。
こいつは万年頭ん中春なので、暫く恋愛の春はことたりているようですよ。
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