gradual world

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こう見えて俺は、学級委員長と生徒会役員という大役をこの身に担っている。 特に2年生である俺たちは、先輩方の仕事を負担しなければいけなくなるため、自然と忙しくなってくる。 しかしながら、委員長という役割もあるため、ちっさな用事でも雑に出来ないのが辛いところではあるのだが。 「まーしろー」 ぶつぶつと文句を云いながら歩いていると、後ろから気だるげな声でその名を呼ばれる。 振り向けば、だらしなく気崩した制服に腰まで下ろした制服のズボン、そのズボンのポケットに突っ込まれた両手、…そして寝癖頭(もう放課後だというのに、だ!)。 「…なんだよ、颯太」 「かえろー」 俺の問い掛けに奴独特の間延びした返事が返ってくる。 残念だな、と前置きして奴に向き直る。 「仕事が大量にあんだよ」 「…そんなの知んないよう」 「ばっか、お前が知んなくても俺は知ってるんだよ」 「ちえーせっかく本屋に行こうと思ってたのにー」 「一人で行けるだろーが」 ぷう、と可愛くもないその図体で頬を膨らませ、寝癖頭を掻く。 俺よりも数センチでかいその図体を見遣って、全くお前は、と再度溜息。 「あ、女王様と狗が揃ってる」 「誰が女王様と狗だゴルァ!!」 「…ましろ、こわい」 げらげらと声を掛けられたので勢いよく振り向いて怒声をあびせた。 勿論、教科書は相手に叩きつけることを忘れない。
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