君の可愛い我儘

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「ほら、骸泣かないでよ」 「だってっ、雲雀君っ」 「ほら」 ゆっくりと骸の背を包み込む。 首筋にそっとキスを落としてやれば、骸がぴくりと躯を震わせた。 そんな様子が、可愛い。 「……さいっ」 「何?」 「ごめんなさいっ……も、我儘言わな……からっ、嫌いにならないでくださ……よぉ……っ」 「骸……」 もしかして、僕が仕事を始めた事で勘違いした……? 僕は骸の頭を撫でて、「嫌いになってなんかないよ」と、なるだけ優しく囁く。 泣きやんで、骸。 骸は、変な笑い方してる方が断然可愛いよ。 ……時々苛々するけどね。 「雲雀、君……僕も、好き、ですっ」 あ、笑った。 涙でぐちゃぐちゃで、いつもの骸のかっこよさが全部消えてるけど、やっぱりその笑顔が一番可愛いよ。 だから、仕方ないよね。 「今度ココア買っとくように草壁に言っておくから。今日はコーヒーに砂糖とミルクで我慢しなよ?ね?」 「仕方ないですねぇ……約束、ですからね?」 「うん。ほら、骸」 軽く触れるだけの、キス。 僕はそれを骸の唇に落とした。 頬を染める骸がとても可愛い。 でも我慢だよ、僕。 「じゃぁ砂糖とミルク貰いますねっ」 そう言ってペットシュガーを5袋入れる骸。 ワォ。そんなに入れたらコーヒーじゃないよ。 fin.
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