転勤で戻ってきた故郷

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「おまえ、誰と話している」 「へっ?」 すでにザードはランの背後で、首にナイフを添えている。 「ちゃんと相手を見ないと死ぬぞ」 ランは何が起こったのか未だに理解出来ていなかった。 目の前にいた人物がすでに後ろにいて、自分が負けたという結果を突き付けられていたからだ。 「えっ!今、一体どんな魔法を使ったの!?」 「…………………」 その質問に返答は無し、ザードは無表情で、サラは、悲しそうな顔をしている。 そして、少しの沈黙の後………… 「サラ、説明してやってくれ」 ザードは逃げるように再び荷物を持ち、扉を開いて、廊下を奥へと歩いて行った。 「えっ!えっ!何!?この空気!?」 突然の重苦しい空気に、ランはあたふたするしかなかった。
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