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此処はフィアネル家の屋敷の一室
そこには、頭首と思われる人物と10歳ほどの少年がいた。
「おまえはもうフィアネル家では無い。
この家から出て行きなさい!」
そんな言葉を突き付けられてなお、少年は平然と立っている。
少年の表情に、悲しみも何も存在しない。
「そうですか、わかりました。
それではサヨナラ、血のつながったどっかのだれかさん」
少年は皮肉混じりに言い放ち、その部屋から出て行った。
そして、家を出る時………
「お兄ちゃん、どこ行くの……?」
まだ幼い妹が、何か不安を感じ取ったのか、声をかけてきた。
少年は苦虫をかみつぶしたような顔をして………
「ゴメンな…………」
そう、哀しそうな声で一回謝り、妹に背を向け、家を出て行った。
「えっ!どこ行くの?
お兄ちゃん、待ってよぉぉ!」
しかし、妹は母親に止められ
母親も・・・・・・・
「ゴメンね、ゴメンね・・・・・・・」
涙を流し、妹を抱きしめながら、ずっと謝っていた・・・・・・
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