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薄暗い道。
すぐ近くには川が通っているのか、水が流れる音が聞こえる。
それと自分の歩く音しかしない。
クロスは口笛を弾きながら、余裕綽々といわんばかりの態度で歩いていた。
暗く足元が満足見えないにも関わらず、力強く。
「さぁーて、俺の考えが正しければこの辺りで……」
ふと、足を止めた。
左右をゆっくり見たあと、クロスは一瞬にも満たないで魔剣を抜刀し、数回青色の軌跡を作った。
「まずは無難に、毒の糸か。魔力の糸に蠍の毒を仕込む……か。考えとしては悪くないが」
少しばかり考え込み、その間に剣を鞘に納める。
「あらあら、やっぱりまだ私が此所にいるのに気づいたのね? 流石だわ」
「素直に捕まる気になったか? 今だったら、まだ罪は軽いと思うぞ」
「残念でした。私、此所で捕まるわけにはいかないの」
やはりカーネリウスは此所にいた。
まだ姿は見えないが、気配からして一人のようだ。
考え通り、アルテリスをレインの方に送ったらしい。
「俺、いや俺達に何のようだ」
「何のようって言われても………ただ、貴方たちの顔が見たくなったから、ではダメかしら?」
楽しそうな声が狭い空間に響いた。
何回も周りを行き交い、クロスの顔をしかめさせる。
「そんな下らない目的のために、お前はここのドワーフを皆殺しにしたというのか!?」
「あら、それ心外だわ。あれはアルテリスが勝手に殺ったのよ。私が扉の前で待ってて言ったのに、ドワーフを殺しに行っちゃったの。私を責めるのはお門違いだわ」
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