第一夜 導く先は

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「そうだが、お前には寝なさいと」 「わたくしはここでクロス様たちといます。どうか、お父様。その事をご了承ください」 「……………分かった。好きにするといい」 ダレスの言葉にラクスは頷いて、クロスの隣に座った。 クロスと目があうと、ニコッと微笑んでウインクした。 クロスもダレスに気付かれないように微笑み返してから、正面を向いた。 「それでここに俺を呼んだ理由は何ですか? バリアスの王女の事でですか?」 「どうしてそれを……」 ダレスは視線をジンに移動させ、フムと首を縦に振った。 「ジンがお前に教えたのか……。相変わらず、情報を掴むのが速いな。 一部の上層部の者たちしかしらないはずだが」 「お褒めにあずかりて光栄に思います」 頭を更に下げて、ジンが言った。 「お前がその情報をどうやって手に入れているか気になるところだが……それは置いとくとしよう」 「何処にですか?」 クロスがニヤッと笑って、ラクスを見た。 ラクスも同じように笑っている。 「今はバリアスの王女の事を話す方が先決である」 見事なまでにクロスを無視して、本題に入る。 当人のクロスは気にしてない感じだ。 「王女が失踪したのはつい先刻。先程、早馬が知らせてくれて、緊急の会議を開いた。 まぁ、そこに将軍と参謀の姿がなかったのが不思議だが」 クロスとジンは互いに肩をすくめて、苦笑した。 ラクスは申し訳なさそうにしていた。
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