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「知っているけど。それがどうした?」
「だったら、テメェも酒を飲んで俺達の輪に加わりやがれ!」
男の言葉に青年は苦笑とともに冷淡に返した。
「ハッ!何で俺がおまえらの命令で酒を飲まないといけないんだ。
酒は自分が欲しているときだけ飲むって決めてんだ。それをどうして、おまえらに合わさないといけない?
更に輪に加わりやがれだと?
バカも休み休みに言え。おまえらみたいな、バカな連中と群れを作る気はないんだよ」
一気に話した青年は、用済みだと言わんばかりに店から出ていく。
それを男の連中の一人が、剣を青年に向けて、止めた。
「好き放題言いやがったな、クソガキがっ。その腰の剣を二度と持てない身体にしてやるぜ」
「……ほう。お前ごときが?
久しぶりに笑える冗談だな。イヤー、傑作傑作」
「ぬかせーーーっ!」
頭の中は、アルコールで満ちているのだろう。
店の中というのを忘れ、剣を振り回してきた。
「こんな奴等……剣を抜くまでもないな」
後ろから迫り来る剣を持っている手に回し蹴りを放ち、そのままクルッと一回転して、男の頭に蹴撃を与える。
男の頭がガンという鈍い音を鳴らし、身体は倒れた。
青年はそれに目もくれず、次に雄叫びをあげて突進してきた男の間合いに入り、胸元を掴んで一本背負いのように投げ飛ばした。
「卑怯だ。変な魔術を使いやがった!!」
残りの二人の男がわなわなと身体を揺らしながら、叫んだ。
自分達では気づいてないのかもしれないが、ジリジリと後退りしていた。
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