第二夜 幕は上がり始める……

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そこでは、レインがうっとりした目付きで魔剣を見ていた。 クロスは苦笑しながら、レインの肩を叩く。 「ほらっ、お前は自分で魔剣を造るんだろ? さっさと、魔力付与させる剣を選べって」 「はぁーい」 一応、魔剣から目を逸らし、剣がたくさん置いてある場所に足を進める。 剣を一個一個手にとって、品定めをしていたが、、チラチラと視線が魔剣に行っている。 ──確かに、凄い魔剣だもんなぁ。 思わず魔剣に手が伸びた。 「それに触れてはならんっ!」 怒鳴り声が聞こえたが、もう触れた後。 柄を握りしめ、引き抜こうとしたとき、 バチッ バチバチバチッ 突如、結界のようなものがクロスの手を、柄から弾き飛ばした。 驚き、クロスは後方にジャンプした。 「封護結界か……? 何で魔剣に?」 クロスの独り言のような問いに、頼りない足取りで近づいてくるリユールが答えた。 「いかにも。グラビィティーには封護結界を二重に張っている。そうでもせんと、盗んでいかれるからな」 「だったら、身に付けとけばいいんじゃねぇの?」 「いや、グラビィティーはどの魔剣よりも数倍重たいらしく、リユールさんには持ち運ぶのも辛いらしい」 バリスがリユールさんに肩を貸しながら、クロスの隣に来た。 「それに、俺の産まれ故郷では、魔剣には封護結界を張るのが当たり前だったしな」 リユールの言葉に、クロスは一抹の疑問を覚えた。 “魔剣には封護結界を張るのが当たり前だったしな” ──つまり、魔剣を扱えたものが多数いたということになる。 だが、魔剣を扱えるのは、ギュレアシード使いでソーサラーじゃなくてはいけないのに……。
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