第二夜 幕は上がり始める……

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「リユールさん。あんた、一体何者だ? 普通あり得ないんだよ、魔剣にルールみたいなのができるなんて。 世界中探しても人間で魔剣を扱えるのは、極々少数だ。あんたが生まれた所は魔剣にルールみたいなのができるほど、魔剣使いがいたのかよ?」 リユールは、ハァと溜め息をついた。 まるで、無知の者を見て嘆いているように。 「何で溜め息ついてんだよ?」 「無知め」 「ハァ? 俺はおかしいことを訊いただけだぜ?」 もう一度、溜め息をついて、リユールは都合良く手元にあった剣を抜いて、クロスに突き出した。 老人とは思えないほどの速さで。 だが、クロスにとっては、止まって見えるぐらいに遅く感じた。 頭を貫こうとした剣を余裕で避けて、その剣を奪う。 「いきなり何だよ?」 「今のを見て、何を思った? 何を感じた?」 「何をって…………、ただ老人にしては、動きが鋭いなぁって……」 リユールは「そうか」と言って、クロスに背を向けた。 「その剣を見てみろ。 ミスリル製でドワーフが造った剣だ。軽くて、しかもミスリル製のため、魔力付与もさせやすい。お手軽な価格で売ってやるぞ」 クロスは、話変えやがったなと思ったが、今は剣を見るのに集中した。 確かに良い剣だ。 白銀に輝き、重さも丁度良い。 更にミスリル製だというのが、魅力的である。 「おい、レインッ!? ちょっとこっち来い!」
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