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暗い廊下とは真逆。
ジェリスがギレスを殺してから半日後、砂漠を移動しているクロスたちは……
「アッチィ…………」
ただ山のような砂丘をひたすら登っていた。
喉が水を欲しているが、ぐっと我慢して、足を動かす。
「……しょうぐ~~ん」
「何だぁ……?」
最初の元気も何処へやら。
肩を落とし、息も絶え絶えの姿は、すごい疲れようだ。
「水飲んでいいですかぁ?」
「一口だけなぁ」
そう了承してから、なんか嫌な予感がして下を見る。
まだ砂丘の下にいるレインを見てみると、
「……テメェ!」
口一杯に含んだ水。
それを視認すると、一気に今までの疲れが飛んだ。
クロスは荷物から手頃な投げるものを手に取り、部下に投げつけた。
それはとんでもない速さでレインに向かい、そのまま額にぶつかる。
ガッコーーン
「……ブハッ!!」
いったぁと叫ぼうとしたらしいが、口を開いた瞬間、水を吹き出した。
さらにもう一発、腹に当たったからだ。
容赦ない投擲に、顔を真っ赤にして怒鳴るレイン。
「何するんですか、しょーぐん!! 水が勿体ないじゃないですかっ!!」
「だったら、口一杯飲んでんじゃねえよ!! ていうか、さっきから飲みすぎだ!!」
「仕方ないじゃないですか!!」
「仕方無くないんだよ!! 少しは我慢しろっ!」
怒鳴りあったからか、はぁはぁと肩で苦しそうに息をする二人。
──なんか今ので余計に疲れたな。
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