第三夜 血飛沫の舞い

6/31
9151人が本棚に入れています
本棚に追加
/256ページ
「ったく、まだ五分の一も進んでねぇのに」 「それにドワーフたちにも会いに行くんですよね? なんか良く分からない水晶玉を渡しに……」 「ああ、何かを封印するためと言ってたが、何を封印するんだろうな。見た感じ、魔力チャージはされていないようだが」 話に出てきた水晶玉は、表面が青く透き通っており、一見、占いによく使いそうな代物だ。 だが、何か強力なモノを封印するものらしいから、そんな占いに使うようなモノではない筈。 その筈なのに…… 「そうですよねぇ……全然、封印するようなモノには見えないですよねぇ……」 レインの言葉に頷くしかないクロス。 確かにレインの言う通りで、自分の思案通り。 しかし、一応これをドワーフたちに渡さないといけない義理もあるということで、クロスたちは前に進みながら、ドワーフも探していると言うことなのだ。 「まっ、これをドワーフたちに渡せば解るだろうさ。 それに、そのついでに水を貰えばいい」 「しょーぐんて、抜け目ないですよね」 「褒めてるのか? 貶しているのか?」 「やだなぁ……勿論、どっちもですよ。どっちも」 もう一度、水を飲もうとしたレインを諌めてから、クロスは歩き出す。 まだまだ、日は落ちそうにない。 ──少しでも先に進んでた方が、明日が楽だしな。 「しょーぐん、休みませんかぁ?」 「バカ言うな。足がぶっ壊れても着いてこい」
/256ページ

最初のコメントを投稿しよう!