第三夜 血飛沫の舞い

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自分の足もかなり痛いが、ここは我慢するしかない。 急げば急ぐだけ、後で楽をするからだ。 「疲れたんですけど……」 「俺もだ。だが、今頑張れば後で楽だぞ」 「休みたいです」 とか言っていても、レインはちゃんと足を動かしている。 クロスは二、三回頷き、自分も歩きだす。 「ほらっ、日が沈むまでにもうちょっと進むぞ」 「あっ? ちょっと!? 待ってくださいよぉ、しょーぐん!」 同時刻、神聖ラザルア帝国では、 まだ血生臭い修練場で、今日も銀髪を背中で束ねているジェリスと、ボサボサの茶髪の男性が相対していた。 どちらも得物を持っていて、空気が物騒な感じがする。 「まずはお前から力を計ってやろう、ハグルア。ストレス発散もしていいぞ」 軽口を叩き、鈍く光る大剣を構えるジェリス。 ハグルアと呼ばれた男性はただ頷き、細身の剣を中段で構える。 その細身の剣も黒色に光っていた。 「では……行くぞっ」 言下、ジェリスの身体が霞み、ハグルアが気づいた時には、既に大剣が唸りをあげて迫ってきていた。 頭上から不吉な音が耳に届く。 咄嗟に剣を持ち上げ、大剣を受け止めようとした。 ──いくら、大剣でも受け止めることぐらい……。 しかし、剣がぶつかり合った瞬間、そんな考えは吹き飛んだ。 コンクリートでできた地面はボコッと陥没し、ハグルアの腕に言葉にできないほどの衝撃がきた。 思わず剣を放棄し、横に転がるようにして避ける。 「まだ、私の斬撃を受けれるほどではないか……」
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