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「興味がない。と言えば嘘になるんだろうけど、そこまで知りたいとは思わないなぁ」
城門をくぐって城の中に入ったクロスは、回りにいる兵士たちに挨拶をしながら答えた。
主城ゼブラリタルの中は圧巻の一言。
至るところに部屋があり、廊下には赤い絨毯が敷き詰められていた。
大きさも半端ではなく、大広間にいくまでに結構な距離を歩かねばならない。
二人は王が待っているであろう大広間に向かって歩く。
と、その時、一際豪華な作りをしているドアが開き、一人の美少女が出てきた。
綺麗な金髪を腰の辺りまで伸ばし、瞳は透き通るような青色をしていた。
「今晩は、クロス様!!久しぶりに会えて嬉しいですわ!」
凄い勢いでクロスに抱き着き、胸に顔を沈める。
クロスはジンと共に苦笑しながら、美少女に言った。
「久しぶりです、ラクス様。このような時間まで起きていてよろしいのですか?」
「クロス様。わたくしは子供ではありませんよ。今年で17歳になりましたわ」
「存じております。ですが、ご健康に影響いたしますので、早めに寝たほうがいいと思います」
ラクスの顔に影が差し込めた。
ところが、数秒たってから、パッと悪戯を思い浮かべた子供のような顔を浮かべる。
「敬語はやめてくださいませんか、クロス様。
でなければ、わたくしは寝ませんっ」
一国の王女に敬語を使うなとは、無茶苦茶な提案をする姫様である。
勿論、クロスはそんな条件飲めるはずがない。
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