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「またやったのね、あの子たちは」
困ったものだ、と嫦娥は目の前の惨状にため息を吐いた。
四男と末っ子は仲良く寝てはいるが顔に落書きされているし、五男は目をぱちくりさせながら木にぶらさげられている。長男と六男に至っては落とし穴に落ちてしまっているのだ。
犯人はわかっている。悪戯好きな次男と三男だ。
3日に1回、多いときは3日に2回くらい悪戯を仕掛けてくる。
まぁ悪戯で許せる範囲内のかわいいものであるからまだマシなのだが、いつか事故に繋がるのではと彼女は気が気でない。
自分たち姉弟が所属する色違いズの中には悪戯好きな者はたくさんいるが、その中でも自分の弟二人の悪戯はまったく後先考えずにやっているように思う。
これは一度ガツンと言ってやらなければいけないだろうか。
弟たちを穴から出してやったり木から降ろしてやったり、顔の落書きを拭いてやりながらそう思った。
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