美月の帰り

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話はこうだ。 下町警官シモンが何時もの明け方の巡回中、知り合いの男叉之伍郎と出会った。 まぁまお巡りさん、お茶でも飲んでいきなさいな。 といった具合で、話し掛けてきた叉之伍郎。 いやいや叉之伍郎、あっしはまだ勤務中で。 きっちりと右手を上げ敬礼するシモン。 いやいやシモンさん、ちょいっと野暮用がございます故、時間を裂いていただけまいか?。 さぁささぁさと催促するか、諸手に急須と二つの湯飲みを。逃げられまいぞ、と言葉無く誘うようだ。 やや!!其れは困る!!勤務中と言っているではないか!! あまりに用意の良い此の男の様子に一歩引き、逃げられますとも、と主張。 そいつぁ仕方が無い・・・。じゃあ何時時間を頂けるかな? 非常に残念そうな顔をしてうなだれる。非常に残念そうで。 はいはい。ならばあと少しで終わりますんで、何時もの場所で。 叉之伍郎のただならない様子を見て、シモンは仕方無く了承せざるおえなかった。 おぉ別れの四京門!!ではでは、巡回が終わる頃に!! シモンが了承するとコロリと表情を変え、ルンルンと。 げんきんな男と別れたシモン。 後悔的なしこりが残るが、やはり警官。困った人は放ってはおけない。
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