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「ちょっと来い!!」
徹也と翔は食器を洗っている悠の腕を掴み、今使われていない教室へと連れて行った。
そして、翔がそのまま悠の後ろに周り…腕を交差させるように掴んで、動けなくした。
「離せよッ!!」
悠は抵抗するが、翔とは力の差がありすぎてどうする事も出来なかった。
悠が抵抗を止めると、その様子をニヤニヤしながら見ていた徹也がゆっくりと近寄って来た。
…手にはカッターナイフ。
「俺、お前のためにせっかくあんなたくさんチョーク集めたんだからさ、捨てるとかひどいなぁ~。これはバツゲームだよ」
そしてカッターナイフを悠の目の前でメチャクチャに振り回した。幸運な事に、悠は頬を浅く切っただけで済んだが…。
悠は、あまりの恐怖に目を見開いたまま固まっていた。
「今度俺に逆らったら顔メチャクチャにしてやるからな。強がってんなバーカ!!」
徹也は…恐ろしい事を平気な顔をして、当たり前のように言った。翔は…掴んでいた悠の腕を離し、突き飛ばして転ばせた。
そして2人は、笑いながら自分達の教室へと帰って行った。
悠は恐ろしさと悔しさで立ち上がる事が出来ずに、給食と昼休みの間、ずっと泣き続けていた…。
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