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プルル…ガチャ
「はい。もしもし」
電話に出たのは、徹也の母だった。
「あ、もしもし……瀬戸ですけど…。」
「ああ、悠くんのお母さん?どうしたの??」
由佳は覚悟を決めた。
「実は…悠が徹也くんにいじめられているんです。」
「え…?」
しばらく無言が続いた。
由佳はこの後、ウチの子はそんなことしないとか、悠の勘違いだとか…そんなことを言われるのかと予想していたが…受話器から聞こえたのは意外な言葉だった。
「そう…なんだ。まったくあの子は…。私からちゃんと言っとくから…本当にごめんね。」
「あ…すみません。どうかお願いします。」
「はぁい。じゃあ……失礼します。」
こうして電話は切れた。
徹也くんのお母さんは苦手だった…。
でも…わかってくれたみたいでよかった。
これなら翔くんのお母さんだって…。
由佳は翔の家に電話をかけた。
しかし…誰も電話に出ることは、なかった…。
出掛けたのかな?
そんな事を考えていたら守と悠がお風呂から出てきた……。
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