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はぐらす事が出来た模様。
いや、よかった。うん。
と思いながら、俺が佐藤とじゃれていると、橘に腕を引かれて引っぺがされた。
「何だよ、橘っ、お前も参戦か?」
「違う、なぜだか、三輪がすごい表情で、こっちを見てる。晴貴に用事あるんじゃないか?」
「…えっ?」
恐る恐る、指摘された、前方の教室の扉を見ると、確かに弁当を二つ持って仁王立ちしている三輪が見えた。
……怒ってる?
なんでだ?……あっ!!橘に触られてるからか?
言ってたな…
あぁ、言ってたよ。
『もう二度と、橘さんに触れさせないでくださいね、今度またそんな所見つけたら、俺、どうするか分かりませんよ?』
こ、こえぇぇぇ~~
「ちょ、橘。手解け、俺を解放しろっ」
「なんだ?」
「なんでもいいからっ」
橘が、俺の腕を離すのと、三輪がこちらに近づいてくるのと同時だった。
「片山さん。さぁ行きましょう」
そう言って、俺の腕を掴む。
あっけに取られる橘と仲間の顔を見て、腕を振り払おうとしたが、三輪の表情を見て固まった。
その表情は、思い出したくもない、力ずくで俺を奪った、あの時と似た表情だったからだ。
抵抗できない俺は、そのまま、引き摺られるように、教室を後にした。
あれか?
やっぱり、橘か?……いや、それとも、佐藤か?
どうする俺。どうなる俺。
……どっかのCMみたいに、カードで選べなねぇかな……「逃亡」って。
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