心のゆらぎ

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★ 昼休みの屋上って、人が居ないものなんだ。 って、三輪と昼飯を食べにここに来て初めて知った。 そもそも、屋上に入れるのさえ、知らなかった。俺。 興味なかったしな。 でも、晴れた日の屋上って気持ちいいのな。 郊外の高台に立つ学校だから、屋上からは何の邪魔もなく、町が見える。 そよぐ風、ぽかぽか暖かい日差し。 かすかに聞こえる、昼休みのざわめき。 あぁ、いい気分なんだけどな~。 「片山さん」 怒った三輪が居なければ……。 現実逃避をしていた、俺の思考に割り込んできた三輪の声は、まだ少し、怒気を含んでいた。 先に屋上へ入った俺は、振り返って、三輪を見る。 冷笑を顔に貼り付けた三輪が目に入り、俺気持ちは益々落ち込んだ。 あ~。もう、なんで、あんな事くらいで、こいつはこんなになるんだ? ちょっとじゃれてただけだ、つーのっ。 「片山さん」 もう一度そう言って、俺の頬に手を伸ばしてくる。 三輪の手に触れられた瞬間、身震いした。 触った手が冷たかったからだけじゃないのを、俺は自覚している。 「三輪……?」 「片山さん、俺の事、今怖いですか?」 「……怖くねぇ」 怖いかって聞かれたら、怖くないって言うしかねぇじゃん? 素直じゃないのも、怖がってるのも分かってんだろう? だから、聞くな。
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