動き出した歯車

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僕と葵は、それからよく神社の帰りに、二人で遊ぶ様になった。 川で石を投げて遊んだり、森の木に上ったり、出っ張り岩の遥か下にある湖に向かって色んな事を叫んだ。 その間にも、猛の不可思議な行動は続いた。 巫女を真似た服も止めなかったし、一人で森の秘密基地へ行っては、呪文の様な言葉を龍に叫んでいた。 それと、相変わらず蓮は黙ったまま遠くを見つめるのを止めなかったけど、一緒に神社へ行く様にはなった。 依然の蓮なら、僕達二人の行動を突き止めたんだろうけど、葵と二人で神社の帰りに蓮達と別れても、始めは少し不思議そうな顔をするだけで、だんだんとそれが日常化していった。 おばさんはと言うと、今もまだ、たまに夜中に一人で泣いているのを、蓮と猛と三人で、襖の影から見る。 成太のおじさんが言うには、町に着いた後直ぐにおじさんと別れたそうだ。丁度東の将軍が鉄格子(テツゴウシ)の馬車を連れて町へやって来ていて、牛を取り上げられた蓮のおじさんは御侍様と言い争いになって…成太のおじさんが来た時には、おじさんは斬られた後だったって。 僕も未だに、おじさんが死んだなんて、なんだか嘘の様で、今にも手拭いを肩に引っ掛けたまま「ただいま!」と威勢の良い声が聞こえてきそうだった。
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