序章

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「アレク、もう寝る時間よ、早く寝なさい」   「やだ―。お母さん昔話をしてよ、そしたら良い子で寝るよ!!」   母は困った子…と呟き、アレクと呼ばれた男の子の頭を撫でるが、その顔は暖かい笑顔を向けていた。 「仕方ないわね、それじゃあちゃんと良い子で寝るのよ?」   母は小さな男の子の鼻先をチョンっと人差し指で押すと、男の子は嬉しそうに満面の笑顔で頷いた。   「それじゃあ、初めましょうか、昔々のお話を…」   男の子はベッドっに横になり、母は小さなベッドの端に腰をかけ、男の子の黒い髪を優しく鋤きながら静かに語りだした。 すると男の子は母の心地良い声を子守唄に黒い瞳を閉じた。
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