【第二章】 烏と世界

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カァカァ。 同族達の鳴き声が聞こえる。空には黒い斑点のような烏が、群れになって飛んでいた。限りなく続く蒼に、不思議とあの黒は映えている。 鳴き声が遠くになってから、僕は羽を動かし、飛ぶ準備を始めた。新築の巣から飛び立つのは少し名残惜しくもあったが、もうそろそろ約束の時間なのだから仕方がない。意外と神経質なんだよねぇ、依斗【イト】は。 「じゃあ、行こうかな」 僕は巣から飛びたった。朝の清々しい空気を満喫しながら、依斗のいる木を目指して。
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