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「仕方ありません………川で洗います。だからどこかに行ってらしてください」
「………また化物に襲われたらどうする?」
「……あなたは乙女心がわからないのかしら?」
険悪な雰囲気。僕は慌ててアリアの肩に移った。アリアの肩がビクリと震えた。
「僕がアリアと一緒にいるよ。僕ならいいでしょ?」
まぁ、僕も一応男の子だけど。
「……まぁ、烏ですし…」
「烏じゃなくて、六斗だってば。じゃあミカゼ、お昼の木の実でも採っておいでよ」
ミカゼは味気ない返事をして、森の中へ入って行った。アリアはその間に服を脱ぎ始める。
「見てはいけませんわよ」
「見ないよ。安心して」
ここの川は本当綺麗だから、多分アリアも驚くだろうなぁ。そんなことを思いながら、僕も水浴びを始めた。そんなに流れも急な川ではないから、他の動物もよく此処に水浴びをしに来る。もちろん、依斗もね。
「あら。あなた、案外綺麗好きなのね」
「烏はみんな綺麗好きさ。綺麗なものも大好きだから、僕はアリアが好きだよ」
「ふふ、リクトは話上手ですわね」
本当のことなのになぁ。
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