【第二章】 烏と世界

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「仕方ありません………川で洗います。だからどこかに行ってらしてください」 「………また化物に襲われたらどうする?」 「……あなたは乙女心がわからないのかしら?」 険悪な雰囲気。僕は慌ててアリアの肩に移った。アリアの肩がビクリと震えた。 「僕がアリアと一緒にいるよ。僕ならいいでしょ?」 まぁ、僕も一応男の子だけど。 「……まぁ、烏ですし…」 「烏じゃなくて、六斗だってば。じゃあミカゼ、お昼の木の実でも採っておいでよ」 ミカゼは味気ない返事をして、森の中へ入って行った。アリアはその間に服を脱ぎ始める。 「見てはいけませんわよ」 「見ないよ。安心して」 ここの川は本当綺麗だから、多分アリアも驚くだろうなぁ。そんなことを思いながら、僕も水浴びを始めた。そんなに流れも急な川ではないから、他の動物もよく此処に水浴びをしに来る。もちろん、依斗もね。 「あら。あなた、案外綺麗好きなのね」 「烏はみんな綺麗好きさ。綺麗なものも大好きだから、僕はアリアが好きだよ」 「ふふ、リクトは話上手ですわね」 本当のことなのになぁ。
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