【第一章】 サムライとお嬢様

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あぁ、今日もあまり釣れない。 それもまぁ人生だ。空腹を凌ぐ手段なんて、他にもある筈だしな。 俺の名はミカゼ。川で釣りをしている。というのは過去の話で、今は森で木の実をとっている。集まった木の実はドングリにクルミ。これは昼食だ。アク取りをしなければ苦くて食べれた物ではないが、器が無いから仕方がない。 「こんなものだな」 川まで戻り、火をおこす。 火薬も残り少ないな。これからは木の実生活になるかもしれない。 さっき釣った魚(2匹しか釣れてない)を枝に刺し、火で焼けば昼飯は完成だ。 「いただき…」 「ミカゼー。昼食かい?」 人が食べようとしている時に。俺はチラリと声のした方を向いた。そこには案の定、鳥がいる。
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