猫と別れ

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へこみそうな時ははしゃぐに限る。 そう言って千春はくるくると踊り出した。 おいでよと呼ばれるが、流石に真似は…… 全力で走ったら、気持ちいいんだろうな。 ふと剛の言葉を思い出す。 そうか。そういう事か。 何となく分かった。 もし千春のように出来たら、どれだけ開放的で気持ちいいだろうか。 なぁ剛……駄目だよな。 はしゃぐ手も足も、体力も、全部自分にはあるのに。 ぐちぐち言うのはもう止めよう。 これじゃ剛に怨まれる。 成仏してくれよ。 そして、全身を雨が叩いた。
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