町へ

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「お前…オレの顔見て何とも思わないワケ?」 タツは黙り込んだ…。 そして数分たって声を出した…。 「そんな人間はまれッスよみんな優しいッス!」 そんなのは勘違いだ。 「優しい?ハッ」 オレは鼻で笑ってやった。 「なんスか?」 さすがのタツも怒ったみたいだ。 足をピタっと止めてこっちを向いた。 「優しいって、お前あの人間の事何か一つでも知ってるのか?ただメシくれるってだけで、言葉もわからないのに…。何かあってからじゃ遅いんだぞ」 タツは震えながら話しだした。 たぶん怒りをおさえてるんだ。 だってほら、毛が逆立ってる。オレは関わって得する相手だからおさえてるんだな。 「……優しくしてくれるってだけじゃダメなんスか?可愛がってくれるってだけじゃダメなんスか?それじゃあ誰も信じられないじゃないッスか!人も猫も一緒ッス!」 そんな事言われてもオレは、はなから誰も信ちゃいないオレを裏切らないのはオレしかいないと思ってる。 「……。」
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