氷の心

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頭を上げたあたし達は、彼らの向かいについた。 それに合わせて、彼らがすっと椅子をひいて立ち上がる。 「昨晩は大変素晴らしいお式でした。招待して頂けるだけでなく、こんな素晴らしいお話も頂いて、大変光栄に思います。  私はスノウル国王、セツ。妻のユキノ。そして息子のシュン。どうぞ宜しく」 「宜しくお願いします。では、どうぞお掛け下さい」 全員が席に着いた。 シュンと向かい合う。 あたしはひたすらに下を向いていた。 昨日あんな冷たく当たったから、今になって何だかあたし、大人げなかったかな。 そう思ったからだ。 「素晴らしい国ですね、エミリアは」 「有難うございます。スノウルも水の豊かな美しい国と伺っております…」 パパとスノウル国王セツが話し始めた。 スノウルは雪が多い。でも夏には雪解け水によって、植物は青々と育ち、動物は健やかに生きるというとても素晴らしい国だそうだ。 そんな国との繋がりが欲しくて、こんな話が出たんだろう。 要は政略結婚。 あたしはムスッとした顔で俯いていた。
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