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こんな無駄だとわかりきっている事に夢中になる自分が嫌いだった。
でも、ダメなんだ。
だんだん気づき始めていた。
僕は、違う。
どうせ、違う。
求められている人材じゃない。
僕は、勇者じゃない――
「おお、選ばれし勇者よ。魔王を倒してくれないかね」
僕は、そんな「選ばれし者」なんかじゃないんだ。
わかってる。
学校の成績で一番を取った事もない。
別に顔も良くない。
目立った才能も見出せない。
ちょっと苦手な数学なんか
生きていく上で何の意味があるのかわからない。
正直な話
僕が生きている事すら
何の意味があるのかさえわからない。
……
そう。
僕は、求められた人材じゃないから……
選ばれし者なんかじゃないから。
せめて、誰かから認められれば
せめて、選ばれし一人に生まれていたら
もっと、裕福な家庭に生まれていれば
……
でも、僕は、違う。
だから、責任も義務も無いんだ。
だから
だから
どうだって、いいじゃないか!
そう、思ってた――
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