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「おう。本当に来たんだな…まぁ入れや」
片桐はそう言うと、恭二を部屋の中へ案内した。
「お前は何と言う名だ?」
『………恭二!』
「そうか…恭二は何か質問あるか?」
恭二は暫く考えた後に…
『金……本当にくれるのかよ』
そう一言だけ言った。
その恭二の口の聞き方…
礼儀とは遠く掛け離れた生意気な口調に、片桐は少し釘を挿した。
「おい!ガキ!金をくれるか?じゃね~だろ?オレが雇い主になるお陰で、飯が食えるんじゃないのか?」
『………』
しかし恭二にとって、そんな事は関係無い。
雇い主が必要とするのが自分…
自分が居るから金を儲けれるんだろ?と考えて居たからだ。
そして、一方の片桐は経済ヤクザ…
そして、金に汚い部分があるが、仮にも任侠の世界を歩く人間だ。
恭二の面倒を見る以上は、面倒を見て貰う恭二が、礼儀を弁えるのが当然。
その価値観で食い違いが出たのだ。
「オレに舐めた口を聞くなら金は稼げんぞ?何故か解るよな?」
『………解りません』
そして、恭二の言った言葉が、片桐の逆鱗に触れた。
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