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『別れ、それはただ』
雨が僕の肩を濡らして
涙と共に頬を伝って
優しく
優しく
僕を包み込んでいく
愛すべき君に
最後の言葉に
何を言えばよかったろうか
この雨は
君の心を映し出している
泣いてほしいわけじゃない
けれど
僕の口から零れる言葉は
まるで鋭利な刃物のように
紡いだ僕の胸にも刺さる
あぁ
なんて後悔の渦
もう会わない方が幸せなのか
違う道を選んでしまうのは簡単で
あぁ
せめてもう一度だけ
君の笑顔を見つめていたい
「さよなら」は
かたく閉ざしてしまいたい
今も心には
君への想いが消せずにあるから
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