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昼間だというのに肌寒い風。
たまの休みに遠出すれば、この有様だ。全く、ツイてない…
「はあぁ~ぁ」
何度目か、数え切れないため息をつき、足を進める。
ここは………どこだ?
見渡す限りの岩場、岩場、岩場。
「新潟は、どっちだ…?」
じいちゃんちでうまい米を食うはずだったのに。やっぱり、歩きは無茶だったか?自転車にすべきだったか?
そんな、どうでもいいことを考えていたとき。
・
ズドンッ!
・
と、腹に響く爆音。
思わず閉じた目を開け、ゆっくりと辺りを見回すと、何かがいた。
視界が悪いとか、逆光とかではないのだ。はっきりと見える。
だが、何かとしか言いようがない「何か」が、例えるなら、2足歩行の鰐。
化け物。
それが立っている。
こちらに背を向け、守るように。
化け物をはさんで10メートルほどむこうに、小さい頃見た戦隊ヒーローみたいな四人組がいた。肝心のレッドはいなかったが、そんなことはどうでもいい。
逃げなきゃ。
しかし、最初に動いたのは、化け物だった。俺を無視して、四人組へ突進する。
四人組の対応は素早かった。ブラック、グリーン、イエローがそれぞれ両足と顔面を攻撃する。
ピンクは…目の前で俺を見下ろしていた。
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