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俺は暗い部屋にいた。
刑事の方に話を聞きたい。
そう言うと、この部屋に通された。
春美……菜津子……
「藤岡 浩樹さん、お待たせしました」
ドアが開き、少し頭のはげかかった中年の男が入ってきた。
「いえ……」
その男は俺の向かいに座る。
「詳しい話を教えてください」
「落ち着いて。まずは、ひとつ言っておきます。あなたはこの事件に関して何も責任はありません。だから、あなたのお友達の死について、あなたが落ち度を感じる必要はありません」
「でも……」
「亡くなったあなたのお友達はもう一人のお友達と、確かにあなたのことで揉めていました」
「俺が悪いんです!」
気がつくと叫んでいた。
刑事が小さくため息をつく。
「だからあなたに責任はありません。今、あなたがするべきことは、事実を受け止めて、お友達の死を受け止めて、それでも生きていくことです」
「……わかりました。……事実を聞かせてください。まだ詳しいことは何も聞いてないんです」
刑事は重い口を開いた。
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