階段

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浩樹と私と菜津子は幼稚園から十年間、ずっと仲良しでいつも三人で遊んでいた。 浩樹は男の子だったけど、そんなこと私達には関係なかった。 お泊まり会もした。三人で水溜まりで遊んで、怒られたこともあった。私と菜津子が冗談で浩樹の頬にキスしたこともあった。 そう。私達は幼馴染み以上、みんな家族のようだった。でも、そんな関係は小学校までだった。 中学に入って間もなく、私は菜津子に相談された。浩樹のことが好き。菜津子のその言葉を聞いた私は固まってしまった。 私も浩樹が好きだった。でも、私は言えなかった。 協力してくれるよね?菜津子が照れ笑いしながら言った。私は必死に笑って言った。もちろん、と。
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