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菜津子の一言で私は一気に現実に引き戻された。
「早く……」
「菜津子……おかしいよ。こんなの……」
もう声がうまくだせなかった。
「……なにがおかしいの?あなたは私を裏切った。私は傷ついた。死にそうなくらいに。だから、あなたにもそれ相応の傷を与えないといけないの。……あなた、私があなたと浩樹が付き合ってることに気付かないとでも思ってたの?」
今の菜津子には表情がなかった。そうさせたのが自分だということもわかっている。
「菜津子……許して……お願い……」
「あなたが何を言ってるか全くわからないわ。泣きすぎなんだから。……もういいわ。早く」
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