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俺はしがみついていた手を放し、三成から少し離れる。 しかし、三成に腕を強く引かれ、俺は再びスッポリと三成の胸に収まった。 [三]『……奏旅…強がるな。俺は絶対に死んだりしない。お前を残し、一人になどしない。お前の不安や恐怖など、俺が全て打ち払ってやる。』 俺を安心させる為か、三成は力強く、優しく言葉を与えてくれる。 でも、知ってるよ? 「死なない」なんてあり得ない 「絶対」なんて存在しない だから、俺はその言葉で安心なんかしないんだよ? ………ゴメンな? だから、俺は敢えて言うんだ [奏]『甘やかすな。俺が弱くなる。これ以上、カッコ悪ィのはゴメンだ。』 言いながら、俺は三成の胸を軽く押す。 [三]『フッ…お前は、本当に可愛い気が無いな。』 [奏]『生憎、そのテの言葉とは、お友達じゃねぇんでな。』 [三]『それが「奏旅」らしさか。そういうトコロが好きなのかもな。』 [奏]『そりゃ、どうも。それより、とっとと先に進むぞ。ワンコ達に追い付かれるちまう。ここから動いて無かったらバカ源太にバカにされそうだ。』 [三]『「ワンコ達」?』 [奏]『太助と源太。アイツ等、犬っぽいだろ?』 俺の言葉に、三成は苦笑いを浮かべる。 [三]『確かに犬のようだな。では、バカ源太にバカにされる前に行くか。』 [奏]『ああッ!!』 俺達は再び馬を走らせる。 ワンコ達に追い付かれぬよう。 ……少しでも…先へ進む為に  
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