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[源]『堤が決壊しねぇのが嬉しいのは分かるけどよぉ…喜び過ぎじゃねぇか?』
余りにも喜ぶ俺に、源太が疑問を投げ掛ける。
[三]『「堤の決壊を防ぐ」以外にも何か目的があるのだろ?』
[太]『「他の目的」ですか?』
[奏]『まぁな。』
[源]『勿体ぶらねぇで教えてくれよ。』
三人の視線が集中する。
[奏]『仕方ねぇなぁ。まず、さっきから言ってる「堤の決壊を防ぐ事」。二つ目は「敵の援軍になんらかの被害がだせる事」。三つ目は「二つ目の理由により、援軍に対し充分な牽制になる事」。最後に、これも二つ目の理由からだが「堤が限界だったと悟られない事」だ。』
三成・太助は「なるほど」と頷いたが、源太は良く分からなかったらしく首をかしげている。
[奏]『今度は、もう少し分かり易く言おう。要は堤から抜けた水が、敵の援軍になんらかの被害を与える事で「堤が限界だから壊した」のではなく「敵の援軍に被害を与える為に」堤を壊したと勘違いさせられるんだ。で、被害を出す為に堤を壊したなら、他にも何かあるかもしれないという、心理的な牽制になる。分かったか?』
俺の説明に目を輝かせ、「スゲェぜッ!!」とはしゃいでいる源太。
ホントに分かってんのか?
[源]『とにかくスゲェって事だなッ!!』
……分かってねぇよ。
肩を落とす俺。
「自分達は分かっている」と言う様に、俺を見つめる三成と太助。
もう、いいや……。
取り敢えず、順調なら問題無い
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