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更に続ける秀吉。 [秀]『そこで、お前達に頼みがある。急ぎ、京までの道添いにある茶屋や民家に行き、炊き出し・替えの草鞋・替えの馬の手配をしてくれ。金に糸目は付けん。必要なだけ使え。それと、これはあくまで密命じゃ。少数陣営で頼む。くれぐれも、手配先で「信長様が死んだ」などと、口を滑らすなよ?』 [三]『承知致しました。すぐにでも取り掛かります。』 [秀]『ああ、頼む。奏旅も、スマンが三成を手伝ってくれ。』 [奏]『分かった。頑張って手伝う。少数陣営が良いんだろ?だったら、俺と三成の他は太助と源太だけでいいや。』 [秀]『確かに「少数陣営」とは言ったが、四人で平気か?』 [奏]『うん。充分過ぎ。』 俺は、ふと空を見上げる。 今にも泣き出しそうな空だ。 [奏]『秀吉君。降伏条件を軽減するなら、早めに城主の清水宗治に伝えた方がいいよ。』 [秀]『ああ、明日にでも伝えるつもりじゃ。』 [奏]『明日じゃ駄目だよ。』 [三]『何故だ?理由を話せ。』 [奏]『空気が湿ってるし空も暗い。きっと、もうすぐ雨が降る。雨が降れば堤の中は大惨事だ。先に降伏条件の緩和を伝えておいた方が、降伏に心が傾く。人間、希望を与えられると目の前の恐怖に脆くなるから。逆に、大惨事の堤の中、持ち堪えられちゃったら意地でも降伏はしない。「俺達はまだやれる」って団結しちゃうから。』 [秀]『成る程な。よし、ワシはすぐに清水宗治へと使いを出す。お前達も、準備が整い次第ここを発ち、諸々の手配に走れ。』 [三]『承知致しました。奏旅、行くぞ。』 [奏]『ウィ~ッス。』  
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