5804人が本棚に入れています
本棚に追加
[三]『気の抜けた返事をするなッ!!』
[奏]『ああ、悪ィ…。』
俺は、さっさと歩き出す。
[三]『……どうしたのだ?』
[奏]『えっ?う~ん…三成ィ…俺、ついて行っても大丈夫なのかなぁ?』
[三]『……何故だ?行きたくないのか?』
[奏]『いや、行きたいよ?行きたいんだけどさぁ…。』
[三]『なんだ?ハッキリしないな。お前らしくもない。』
俺は申し訳なさそうに小声で呟く
[奏]『……俺、一人で馬に乗れない。足手纏いじゃね?。』
三成は、俯く俺の頭をポンポンと叩きながら口を開く。
[三]『心配するな。俺と一緒に乗れば良い。行きたいのだろう?』
俺はコクンと頷いた。
[三]『ならば行くぞ。太助と源太にも声を掛けねば。』
[奏]『おぅッ!三成、有難う!』
[三]『構わん。俺がお前を置いて行きたくなかっただけだ。』
なッ……!!
なんでサラッと、そういう事を言うかねぇ?
まぁ、ある意味、俺達は運命共同体みたいなモンだしな。
照れるけど嬉しいぜ。
俺は三成の言葉に笑顔で返す。
三成も俺に笑顔を向けた。
[源]『なぁに、二人の世界を作ってるんでぃ?』
[太]『源太、邪魔しちゃ駄目だよッ!!』
[奏・三]『なッ!!』
突然、声を掛けられ、後ろを見ると、しかめっ面の源太とあたふたしている太助が居た。
[奏]『いや、そんな世界作ってねぇし。』
[源]『いや、まるで祝言挙げたての夫婦みてぇだった。』
[奏]『テメェは、俺と三成の友情を馬鹿にしてんのか?』
[源]『………友情?』
[奏]『俺と三成は運命共同体だ。無二の親友なんだよっ!!』
[源]『ふぅん?』
馬鹿にしたような源太の声にイラッとする俺。
[奏]『なんかお前ムカつくな。三成、コイツは置いて行くぞ。』
最初のコメントを投稿しよう!