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歩き出してからどれだけの時間が過ぎたのだろうか?
未だに俺は歩き続けている。
[奏]『やべぇ…挫折しそうだ。何でこんだけ歩いてんのに誰も居ねぇの?俺が落ちてる間に、日本人は絶滅したのか?イヤイヤイヤ…あり得ねぇだろ?。つぅか…なんか俺、独り言上手になってきた。ヤバくね?マジ、不安になってきた。俺って今、遭難とかしてんの?』
などと独り言で気を紛らわせつつ歩いていると、村らしきものが見えて来た。
[奏]『やったぁっ!助かった!遭難したかと思ったぜッ!!』
俺は元気良く走り…出すのをヤメた。
……なんだ?この村。
昔話に出て来そうな畑と家。
つぎはぎだらけのボロボロの着物を着て、畑仕事をしている人達。
[奏]『映画村…とかじゃねぇよなぁ?やけにリアルだし。遠くに城も見える。大体、清水寺から落ちたら映画村っておかしいだろ。城まで距離ありそうだし…これといったアトラクションとか無さそうだし……』
俺は景色を見ながら考えてみる。
……ちょっとワクワクしてきたかも。
いや…ありえねぇよ?
ありえねぇけど…タイムスリップとかしたんじゃね?
いや、もしかしたら死後の世界って可能性もあるが………
ありえない落下の時点で、既に現実離れしてるしなぁ。
しかも、俺が居たのは京都だぜ?
幕末の京都にタイムスリップ…なぁんて、期待しちゃったりなんかして。
まぁ…違うなら家に帰れるから良いし、タイムスリップしちゃったんならナマで新撰組に逢えるかもしれねぇし。
どっちにしろ損は無い。
寧ろ、後者なら実に面白い。
俺は荷物を背負い直すと、ワクワクしながら村へと向かった。
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