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………。
俺は、それから言葉を続けることができなかった。
彼女は、視線を月へと戻してしまっていた。
話しかけたいが…何て話しかけよう。。
このまま、彼女との縁を断ち切ってしまうのはイヤだ。
そうだ………。
「名前……名前、聞いてもいいですか?」
彼女は少し驚いた顔をしたが、ふわりと微笑んで答えてくれた。
『ええ。宵乃 かぐやと言います。』
かぐや…かぐや?!
かぐや姫か?
いや…まさか…。。
『貴方は?』
「えっ?!あぁ…えっと俺は、空夜 杜月(クウヤ トツキ)って言います!」
『杜月さん……ですか。』
ふと、風が頬をかすめた。
彼女の姿は、もうそこにはなかった。
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