一章 出逢い

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………。 俺は、それから言葉を続けることができなかった。 彼女は、視線を月へと戻してしまっていた。 話しかけたいが…何て話しかけよう。。 このまま、彼女との縁を断ち切ってしまうのはイヤだ。 そうだ………。 「名前……名前、聞いてもいいですか?」 彼女は少し驚いた顔をしたが、ふわりと微笑んで答えてくれた。 『ええ。宵乃 かぐやと言います。』 かぐや…かぐや?! かぐや姫か? いや…まさか…。。 『貴方は?』 「えっ?!あぁ…えっと俺は、空夜 杜月(クウヤ トツキ)って言います!」 『杜月さん……ですか。』 ふと、風が頬をかすめた。 彼女の姿は、もうそこにはなかった。
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