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次の日、俺はまた公園へ足をすすめた。
もしかしたら、逢えるかもしれない…そんな期待を抱いて。
彼女は………昨日と同じ場所にいた。
そして同じように月を見上げていた。
「かぐやさん!!」
思わず大きな声がでてしまった。
『…かぐや、でいいですよ。杜月さん。』
こちらを振り返り、ふわりと微笑んだ。
そして、固まってしまっていた俺に彼女が言葉を続けた。
『月の…月の魔魅かと思っていました。』
「え?」
やっと出た声で返す。
『昨日は、あまりに綺麗な月夜だったから月の使者に出逢ったのかと。』
「……。」
驚いた。
俺はむしろ彼女が幻かと思っていたから。
そうか…なんだか彼女が遠い存在ではなくなった気がした。
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