男と猫

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「私は、一体、あなたが何故そのようなことを満足気にしているのか理解出来ませんでした。わたしはたまらず、もと来た道を戻ってマンションの部屋に帰りベッドに入りました。それは長い一夜でした。あなたが三時頃、家に帰りわたしのそばのベッドに入り寝息を立てて寝てからも私は朝まで眠れませんでした。そして私は納得したのです。あなたの睡眠にはあの行動が欠かせないんだと言うことを。人が無理せずよい睡眠を得るためにはたとえ奇怪な行動だとしてもそれが必要なんだと言うことを。でも、理解して欲しいの。離婚した原因はそこにあったのではないことを。正直言って私には好きな男性がいたの。あなたのことを嫌っていたわけではなく、彼は私にとって必要な存在だったの。奇怪な行動は別に、私にとって、あなたの浮気とか変態とか私が判断したわけではないのです。人生が滞りなく過ごすためだったら何だって許されてかまわないと思います。何故、そうしたかったかなどというのはわからなくてもいいと思うのです。でも、ごめんなさい。私はあなたと離婚した。」
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