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「いないの?」
皆は興味津々そうな顔で私を見る。
私は静かに、好きな先輩には恋人がいるから、と答えた。
皆その答えに表情を曇らせる。
「ごめん」
皆を代表するかのように、最初に私に問いかけてきた子が謝る。
私は謝ることじゃないよ、と態と明るく努めてみせた。
それでも皆、無言になってしまう。
タイミング良く、予鈴がなった。
宿題を終えていない子達は慌て出す。
私はそっと、席を立った。
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