風立ちぬ

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朝の歌 朝まだ来、清(さや)かなる木々の擦れ音 暗闇の中鳴れば鳴る 人らの声も聞こえず優しげに 深き昔の憶い広ごれば 炬燵の上の蜜柑、くっきりと 夜半の夢、消し去りぬ さすれば白々しく東雲に明光(あかり)の差す ああ、逝きて還らぬ時よ 屋根に導(つた)いて滑り去るかな 永遠(とわ)の朝、夜の閑静(しじま)!
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