人魚の泪

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『クッ…。あの男……邪魔だ。あの娘が…記憶を無くしてくれただけ…よかった。…まさか…いきなり……出会うとは……。邪魔しなければ……。』 あたしは…ずっと…優しい…泪を…落としてくれた…彼方と…泣いていた。 「…そういえば…僕の名前……言ってなかったね。」 フワリ…彼方が喋ると…心が暖まる…。 落ち着く…。 「僕の名前はディーズ・オーシャン。よろしくね…かわいいお姫様。」 よろしく……と言いたくても……声が出ない… そんなあたしに…彼方は…手を差し出した……。 あたしは…彼方に見せる…初めての笑顔で…手を差し出した…。 「君の名前をつくらなきゃね。」 あたしの…名前……? 「名前がないと……僕が呼ぶとき困るだろ…?」 彼方は優しい微笑みを… あたしに向けてくれた…。 あたしも…彼方に応えるように…… 微笑み返した。 あたし達を包むように…… 暖かい風がとりまいた。 TO BE CONTINUE
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