ロング・バケィション

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告白をした。 やや、酔っ払っていたせいもある    過去に、好きだった男に。   沢山のキスと ベッドの上で身体を重ねた記憶。 そうして、愛して、傷つけて、 傷ついた。   最高の男だった。 それから、最低の男になった。   だから今はもう、 恋愛の対象外ではあるのだけれど 喧嘩別れしたあの日から 長い間、ずっと連絡もしなかった 携帯のメモリーも消した。 でも、いるんだよね。 メアドが自分のフルネームの奴って。 忘れた頃に、 おまえかよ。みたいな。 それでも、恋愛休暇は たった一人の男を忘れるのには、十分すぎる程の時間だったから。 もう、大丈夫。 いつもより、少しだけ リッチな靴を履いて。 ネイルもぬかりなく。 気合いを入れて、 待ち合わせ場所に向かう。 ちゃんと、イイ女に見えるように 好きだった男に、自信をもって 『今』だから、言える過去の想い 告白する事でやっと、 この恋は終る。 あの日から、絡んだままの感情が やっと解ける時が来た。 ―大人の恋は、せつない。 仕事が忙しければ尚更、 すれ違いも日常茶飯事だ。 沢山の事が見えて、 自分に嘘をついて。 一度は、恋を知ったつもりでいるから。 傷つくのがこわいから。 男も女も臆病だ。 最初から諦める事もある。 本当はずっと好きなのに。 最初から、素直でいられたらいいのに。 それが、一番難しい。 遅すぎたけれど、今更だけど、 言えてよかった。 こうして、また笑い合える。 あの頃とは違うけれど。 甘くないお酒も、昔より 多分ちょっとは、似合ってる。 もう、増えはしない不器用過ぎた思い出を、お互い少し照れながら お酒を片手に笑って話す。 大人になった気がする。 酔っ払っても、甘えない。 それぞれ終電で自宅に帰る。 やっぱり、イイ男だった 彼の背中を見送りながら。 過去の自分にも、 たまにはちゃんと向き合う事。 きっと、前に進めるから。 それが、恋における女子の道。
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